スイスの鉄道料金は「外国人からガッツリ稼ぐ」仕組み

運賃のような価格を上げたら、日本人が迷惑する、という意見もあるだろう。観光立国に成功しているスイスの場合、国内の鉄道料金も事実上、外国人からガッツリ稼ぐ仕組みが出来上がっている。国民は年間パスを購入すれば全国乗り放題になるため、大半の人がパスを持っている。一方で正規料金で乗る外国人からはかなり高額の料金をいただく。さらに観光客しか行かない登山電車などの運賃はとてつもなく高い。露骨でない形で二重料金にして、国民に利益還元していると見ていいだろう。

インバウンド消費の恩恵が人々の賃金を上げていくまで、しばらくは国内の給与水準で働く人々にとっては観光は高嶺の花になるだろう。だが、安い価格のまま外国人にサービスしていれば、いつまで経っても日本人は豊かになれず、低賃金で良いサービスを提供し続けることになりかねない。

【関連記事】
なぜ賃上げなのに「海外なんて高くて行けない」と感じるのか…前代未聞の経済実験「円劣化バブル」の危うさ
いまだに「紙の図面」を使う製造企業が54.3%もいる…日本が「モノづくり大国」から凋落した残念すぎる理由
なぜ「北海道土産の定番」は東京進出しないのか…六花亭が「北海道だけの店舗」にこだわるワケ
日本円の紙くず化はやはり避けられない…日銀の「異次元緩和終了」でも円高にならない根本原因
なぜ和歌山県で「1億円プレーヤー」の農家が増えているのか…東大教授が絶賛する「野田モデル」の画期的内容